PLACE-CAP ってそもそも何?

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株式会社キャンピングカー広島が製造しているバンコン(バンに架装したキャンピングカーのこと)のひとつです。
最初に作られたのは2014年の春頃らしく、『エレガントなゆとり』をコンセプトに大人のバンコンというキャッチフレーズで誕生しました。
このPLACEには2種類あり、ひとつがルーフの加工をしないPLACE、もうひとつのPLACE-CAPはルーフを一度切り取ったあとFRPルーフを被せて 室内高を高くし、室内高1790を実現しています。
写真はPLACE-CAP(※本ページの写真は(株)キャンピングカー広島から許可を戴いています)

ベース車:日産自動車 NV350 スーパーロングワイドボディ
全  長:5230mm
全  幅:1880mm
全  高:2285mm(PLACE-CAPの場合2450mm)
排気量 :2488cc

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左上がPLACE-CAPで少し天井が高くなっています。左下は標準のPLACE。
PLACEは基本ベッド展開型の横向きベンチシートなのですが右側の写真のような前向きシートタイプにもできるようです。

PLACE-CAP CUSTOM って何?

CUSTOMは私が勝手に名付けたもので、正式名ではなく仮のものです。
トレーラーから自走にする点で、自分の好みや使い方(理想ともいう)で探していたら、当たり前のことですが完全に合致する車など、世の中にありません。
そうなってくるとオリジナルで作るしかなくなるわけですが、全くイチから作るとなるとバンコンでは自分個人で構造要件や難燃性の材料条件を満たすのは不可能に近い、 しかしながら、ショップであってもイチからであれば相当な金額になりそうなので、今ある車の一部を変えたものにしてもらおうと思ったのが始まりです。

昔と変わってきた自分の希望

一昔前はキャブコンに憧れていました。それは現在のAntaresLuxe426を選んだ理由と同じで就寝定員を稼ぐためでした。
しかし、息子も別に暮らすようになり夫婦だけで出ることも多くなるであろう今後は、そんな理由も必要としなくなりました。

あと、近年の旅レポを見てもわかるとおり、室内での調理はほとんどしなくなったので、昔のように「キッチンは大きめ」という思いも薄れてしまいました。
今度はトレーラーではないので、牽引車も要らなくなります。よって、普段は普通の車としても使いたい(ちょっと大きいけど)
ということもあって、キャブコンではなくバンコンにすることにしました。

その他の基本的条件は以下です。

1.作ってもらうショップは近いほうがいい(実車を見たり相談しやすいから)
2.乗車定員は最低でも7名(夫婦+息子+両親×2で乗車可とする)
3.トイレは絶対必要(トイレのない所での宿泊もあるから)
4.キッチンは湯沸かし程度でいい(電子レンジまでは要らない)
5.なるべく直立で利用できること。(トレーラーに慣れたせいもある)

この条件で1と3と5で考えたとき、キャンピングカー広島のPLACE-CAPに辿り着いたのです。
2もPLACEは満たしてはいるのですが、今の自分にはキッチンが大きすぎるのと電子レンジも不要のため、その分就寝スペースを広くしたいとの思いがありました。

(株)キャンピングカー広島

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AntaresLuxe426の購入先でもあり、車検の依頼のほか、何かとお世話になっているディーラーです。
創業以来40年近くもキャンピングカーを製造してきており、技術力には全国でも定評があります。
現在でもたまに見かけるトラベラーアスク、ハイラックスをキャブコン化したマイスタアに始まり、 他ディーラーではあまり見かけないマツダボンゴバンをポップアップルーフにしたプチ、さらには他が手を出さないであろうサクシードをポップアップにしたパルなど、オリジナルな発想のクルマが多い気がします。

作り手のこだわりが随所にあり、「8ナンバー登録のキャンピングカーを正しく作る」ということを基本とした非常に真面目なメーカーであることにも私は信頼を置いています。
それに加え、昔からワンオフに対応(One-Offとは1回限り作られるという意味がある)していることもあって、今回のPLACE-CAPをベースにしたワンオフ車の注文に至りました。

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そんなわけで、最初に私が手渡した希望の図がこちら。
前向きシートPLACEに同社現行車種のプレシャスのシートを足した感じです。

PLACEに元々あった電子レンジや4段引き出しを無くし、変わりに就寝スペースを広めにしています。

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わずか2週間でキャンピングカー広島から暫定案をいただきました。
乗車定員は9名、トイレは少し小さくしてキッチンと長さを同じに。
前向きシートは後向きにも出来、対座シート部と別々にベッド展開が可能。
大まかなイメージができたので、これを元に詰めていくことになりました。

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ここで勘違いされてもいけないので少し解説しておきます。
キャンピングカーとして登録されるには「構造要件」という法規定を満たす必要があります。
この車では左図のように全てベッド展開したときに2300mm×1730mmのサイズになります。
ここで構造要件では1名分の就寝スペースとして「1800mm×500mmの平らな部分を確保」とありますので、この広さだと赤枠の3名分が就寝スペースとなります。
さらに「就寝定員は乗車定員の3分の1以上を確保」という規定がありますので、この車では乗車定員9名に対して就寝3名以上の確保が求められます。
一つ前の図で「前向きシートと対座シートを別々にベッド展開可」としましたが、前向きシートベッドは赤網掛部分、対座シートベッドは青網掛部分になりますので、これら単体では登録上就寝スペースと認められるものではありません。
構造要件はあくまで製造者がキャンピングカー登録するためにある規定なので、走行時の乗車定員は守らなければ交通違反になりますが、停車時の就寝定員は何人でどの向きに寝ようが違反とはなりません。

本ページでは製作依頼の経過も兼ねて説明しておりますので、そのあたりの違いに御注意ください。

新車への希望と相談の記録

以下は車が出来上がるまでの記録を綴っていくもので打ち合わせ覚え書きみたいなものです。
細かい変更点も生じるためHP更新履歴には反映しません。また、詰めていくにつれ記述が変更されることがあります。

〜ギャレー編〜

キャンピングカーの構造要件(水道・炊事施設)


車体に固定されていること。
給水・排水タンクは各10L以上。
給水は電動または手動ポンプ或いは自然落下給水とする
炊事はカセットコンロでも良いが換気扇または窓が必要
設備は正対して使用でき、他の設備がないこと。
床面から上方に1600mm以上の空間を有すること。
流し台・コンロ・調理台を利用するスペースは0.5m2以上あること。
調理台のスペースは300mm×200mm以上あり、利用スペースとの間にコンロ・流し台を挟まないこと。
また洗面設備と炊事設備など他の設備を間に挟まないこと。

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こちらは最初に提示されたギャレー。

コンロは跳ね上げ式の台に置くようにして、窓を開ける代わりにハッチを開いて使うというもの。
NV350の後ろの窓はほとんどが開かないため、このようになってしまうようです。

台を跳ね上げた状態ではトイレの折り戸が当たってしまいますが、構造要件の元で説明できなければアウトとなります。

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上に基づき(かなり変えましたが)こちらは私の提示したもの。
使うとすれば調理スペースがほしいので、L型にしたものを提案。
これならハッチを開けたとき、シンクも外から使えて便利かと。

構造要件も満たしたつもりで考えたのですが、プロによると結果は×。

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コンロを置く位置が端になると、ここはルーフを嵩上げしたところではないので、元のNV350では高さがクリアできないのです。
NV350での室内高からすれば1620なので一見条件はクリアしているようですが、実はルーフは曲線なので真ん中付近のみ1600確保でき、端では高さ確保ができないとのことです。

あくまで実測して1600以上あることが証明できないと設置が困難であるようです。

あと、調理スペースとシンクも正対を条件とするならば横から見て後ろから400以上前でないと設置が困難とのこと。
よって、2つ上で最初に提示されたように少し前寄りな位置にしないといけないのだそうです。

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最初の案に妥協する形でこんな形状にて再提案。
構造要件に調理台と利用スペースとの間にシンクやコンロを挟んではいけないとありますが、その逆なら良いらしいのでこうしてみました。
これなら顔を洗うときなどは調理台を畳めるしいいかなと。
未練がましくL型を残していますが、これにはこれにしたい訳があります。

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CAD図で勝手に立体化。
L型のハッチ側は上開きの蓋にしてもらい、下にタンク(20L×2)、その上は格子としてカゴやらを納めたいのです。
タンクの上から手を入れるスペースがあれば、容易にポンプや排水ホースを出し入れできるという意味もあります。

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上のCAD図を書くにあたり、構造に関する思いを伝えました。
ポンプホルダーとは走行時にポンプを出しておかないといけないので、それを入れるための器です。
排水ホースは上にひっかけられるようにして・・・と、いろいろ細かいことを書いていました。

が、「これのどこまで作ればいい?」とのこと。確かに。。。
そんな細かいものはギャレーの中の話ですし、自分で後から付ければいいかも。

ほぼこれでOKかな?と思っていた矢先にキャンピングカー広島からダメ出しが。。。
いつも相談する相手は桑原専務さんなのですが、構造要件の生き字引とも言われる桑原社長さんから一発NG。

シンクは洗面設備に属するので、炊事設備である調理台を挟むのは畳んでおいてもダメとのこと。

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ちなみに、こんな感じで右に折りたたみの調理台を付けるなら良いそうです。
右側にはシートがあるのですが、ベッド部分はシートと兼用になるので、ベッド有効面積の50%しか計算に加える事ができませんが、 跳ね上げた時に使う折り畳み調理台は、その面積100%を加える事ができるからだそうです。

何のことやら??と思われそうなので解説します。(私も最初この説明がすぐに理解できませんでした)

まず、構造要件の1−(4)で就寝設備における座席との兼用について次のように規定されています。

就寝設備は、乗車装置の座席と兼用でないこと。
ただし、就寝設備及び乗車装置の座席が次の各号のすべての要件を満足する場合は、就寝設備と乗車設備の座席を兼用とすることができる。
ア 乗車装置の座席の座面及び背あて部が就寝設備になることを前提に製作されたものであること。
イ 乗車装置の座席の座面及び背あて部を就寝装置として使用する場合に、就寝設備の上面全体が連続した平面を作るものであること。

・・・で、構造要件の4にて、特種な設備の占有する面積について解説があり、4−(3)で先ほどの1−(4)のただし書きについて次のように規定されています。

就寝設備と乗車装置の座席を兼用する場合には、当該就寝設備のうちの乗車装置の座席と兼用される部分の2分の1は、「特種な設備の占有する面積」とみなすことができる。

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だいたいこういう要件って同じ言葉が何度も出てくるので、「はぁ?」と頭がこんがらがってしまいますが、今回の車では左図の青の部分が就寝設備となります。
ここで、この面積の2分の1(つまり50%)は特種な設備の占有する面積」とみなされます。
元々座席の無い部分にもマットをはめ込んで就寝設備としていますが、それは別途構造要件で、同じように展開式ベッドの場合も2分の1の規定があるので、 結局、この車においては就寝設備全体の2分の1が、となります。

ここで、図中の茶色の部分は「(炊事設備の調理台)<(特種な設備の占有する面積)」というふうにその範囲に収まっているので、調理台の面積は100%使えるというわけです。

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ただ、ここに調理台があると、実際には座面とテーブルに挟まれたところになるので、展開状態では通れなくなります。
通るときだけ折りたためばいいんですけど、構造要件を満たすだけのために設置しても、実際にはシンクの左側を使って、こっちはたぶん使わないだろうな、と。
使わないんだったら、付けていても邪魔になるだけじゃないか・・・と、どうもこの問題は堂々巡りです。

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元のL型ギャレーをさらに伸ばして、こんな形を再々提案。
かなりトイレ側に近づくのでコンロ台を出していたら、ハッチを開けていても通ることは不可能になります。
・・・が、まぁコンロ台だけは構造要件を満足するためこの位置しか無理なので仕方ありません。
これでまたダメと言われたら、また考え直しにはなりますが・・・。

図中の「利用する場所の面積と高さ」とありますが、私も少し勘違いをしていたので次図で解説します。

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高さ1600Hという記述は構造要件の水道設備と炊事設備に出てきますが、器具の位置ではなく「それを利用するための場所」について規定されたものです。
つまり、左図のようにシンクがある場所は1600Hなくても、それを利用するための床面から上方に有効高さ1600mm以上の空間を有していれば良いということです。
PLACE-CAPは嵩上げされていますが、嵩上げをしないPLACEでもこの位置なら高さに関するものは規定内となります。




〜トイレと押し入れ編〜

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最初にキャンピングカー広島に提案した図。
トイレはどうせ座って使う(男も座ればいい)のでその分天井高を低くして上に出来た空間を収納にするというもの。
収納の幅としては最初の平面図でトイレ幅で、対座シートの上に延びるかんじ。

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上を思いついた理由はもう一つあり、元のプレイスCAPの写真を借用すると、元々「ウォークインクローゼットとしても使えるマルチルーム」という設定なので上が開いているのです。
トイレとして使用するには密閉されてないと臭いが漏れてしまいますし、嵩上げルーフとの境の加工が難しそうなので少し下で蓋するようにすれば、作るほうも楽なのかなと。

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それを踏まえて12月23日のブログはこのための実験でした。
ブログ内でも書いてますけど、座ってする分には高さ1400mmでも問題ナシ、ただ、用を足した後ズボンを履くのがけっこうキツイです。
身体を「くの字」に曲げてジーパンを履くのはかなり大変です。

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実際、どのくらいの収納空間ができるのか、CAD化してみました。
車の詳細寸法や嵩上げ部分の寸法がわからないので、日産自動車の参考イラストなどから割り出した予測寸法です。
これでいくと有効活用できる空間としては断面で360mm×360mmしかとれません。
窓も傾斜しているので、どうしても床から1400mmではおそらくこの幅が限界かと。

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長手方向にはこれまた予測値で1450mmほど。オーバーヘッド収納の位置は写真判定です。
掛け布団は丸めればなんとかこの空間に2人分くらいは収まることがわかりました。
もちろん、走行中に手前側に落ちてこないようにバンド等が必要になります。

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押入のためにトイレのヘッドクリアランスを我慢するというのも変なので、横向きシートの上だけは展開式の棚に変更。
トイレの壁と嵩上げルーフとの境付近の加工が難しいだろうな・・・と思いましたが、一枚板で作るのでなければ、さほど困難でもないとのこと。
壁に継ぎ目ができるのは人にも依るでしょうが、私は全く気にしないので「継ぎ目有り」で作ってもらうことにしました。

二度目の打ち合わせで展開式の棚も左図のように具体的検討が進み、およそこんな形になりそうです。




〜テーブル編〜

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たいていのキャンピングカーはこんな感じの一本足のポールを差し込むタイプのテーブルが付いています。
構造的には上下がテーパーになっていて、ズボッと差し込むと割と頑丈に固定されるらしいのですが、結構人の手で抜くのが大変だと聞きました。
まぁ、仕事でも使うパイプレンチみたいなものがあれば、比較的簡単に外れるのではないかと思います。

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こちらは前のトレーラーに付いていたテーブル。
片方を壁に引っかけるようにして、もう片方がやはり1本足。
脱着は容易ですが、壁際のところに少し遊びがある(逆にないと外せない)ので、走行時に片側に寄っていることもありました。
進行方向に対しての対面シートだと、壁利用してこのタイプにしている車もあります。
プレイスの前向きシートタイプもこれが採用されていました。

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何故キャンピングカーのテーブルには1本足が多いのか、それはちょっと考えてみればすぐわかることですが、通るときに邪魔になるからです。
普通のテーブルのように4本足だと、図の赤丸の部分が足になります。
そうすると、例えば左(前側)からトイレのほうに行くとすると、シートの上を通らなければならなくなります。
これが青丸の1本足だと、多少足が太くなっても、シートに座る感じで移動できます。

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こちらもその理由でボツになった案です。
セカンドシートを後ろ向きにしたときにテーブルが遠いので、跳ね上げて延長できるように考えたもの。
上の足と同じように考えると、下に降ろしているときは邪魔になってしまうのです。

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現在問い合わせ中のテーブルがこんな感じ。
1本足のほうは強固に固定されることはわかっているので、そのテーブルにトレーラーのテーブルのような構造のものを連結するというもの。
ただ、メインテーブルの端にそういう金具が取り付けられるかわからないので、まだ決定ではありません。