PLACE-CAP 第二次カスタム

元々のレイアウト(下記図参照)を見てもらうとわかりますが乗車定員が多く、ほとんどが座席となっているため、ベッドメイキングがかなり面倒です。
当初設計の主旨が「私とカミさんの両親と息子の計7名で乗車できること」をもとに、定員9名で製造されたのですが、年月の経過により息子も独り立ちし、互いの両親も老化や病気等で旅が困難になったため、夫婦だけで使う車へと変化してきました。
夫婦二人では座席が多すぎるのと、ベッド化すると今度は座席がなくなってしまう(当たり前と言えばそうですが、構造上一部をベッド化しただけでは寝られない)ので、トイレとキッチンはそのままで座席部分をもう一度作り直してもらうことにしたのです。
もちろん、今となっては不便なだけでレポには綴っていませんが、旅以外にも家族を載せていろいろ遊びに出られたので当初目的は十分果たせたと思っています。

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元々のレイアウト

前から2名、3名、対座4名で計9名乗車です。

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そしてこちらが2022年2月頃に株式会社キャンピングカー広島に最初に相談した図です。
一見、そっけない絵ですが、あちらはプロなので、最初に依頼したときにわかったのですが、あまり細かい指示を出すと、かえって作りにくくなるみたいで、「こうしたい」という意味で提案しました。
要は夫婦二人が別々のベッドで寝られ、座席1を後ろ向きにすれば簡単な食事もできる、というものです。

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こちらが最初の回答。
元々のサードシートのキッチン側のほうは、そのまま残したほうがキッチンを触らなくて済むらしく、あと、ベッド上段の端を斜めまたはカットしないと前からの出入りが難しくなるとのことでした。

このあと、3月に株式会社キャンピングカー広島に出向き、事細かに打ち合わせをして、だいたいの骨子が決まったのですが、工場の空きがなく早くても夏以降とのことで、私もその年の秋まで放ったらかし状態になってしまいました。
というのも、コロナ禍で出る予定が立たず、今車が無いわけではないのと、真夏の車内は灼熱地獄となるため、寄り付きさえしなかったのです。

やがて時は過ぎ、12月の車検をどうするか?というあたりから、話が再浮上してきました。

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改めて二段ベッドの検証。
こちらは簡易二段ベッドを製作してもらったときの写真です。
新たなベッドは軽量鉄骨で作るらしいので、高さはこれより変えられるらしいのですが、下段のヘッドクリアランスが低いため、かなり圧迫感がありそうです。

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そういえば、トレーラーのAntaresLuxe426で、下段が狭くて座面高さを下げるDIYをしたっけ・・・
というわけで、同じことができないか、PLACE-CAPでも検証してみることにしました。

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ネックになるのは、サードシートのこの部分。
手前の板はベッド幅が大きいので、もっと手前になります。
タイヤハウスはしょうがないとして、バッテリーの向きを進行方向横向きにしてタイヤハウスの左端から前をベッドにすれば、かなり下げられそう。
電装品は、この空間が広がるので全部床に付け直してもらうとして、問題なのは左端にある車載リアヒータ―です。
サードシートは進行方向左のほうはそのまま残すことになるので、そっちに移設できないか、キャンピングカー広島に相談したところ、できなくはないとのこと。

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再度入念な打ち合わせのうえ、機器の配置はこうなりました。
べバストヒーターの風の通り道を作り、セカンドシート側にも届くよう配置、ベッドと座席の間には少し壁を作ってもらい、スライドドアを開けたときに丸見えになるのを防ぐようにします。
残すサードシートにリアヒータ―を移設、進行方向前側に下駄箱を設置してもらうことにしました。

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下段ベッド高さが床から200mmとなることで、上段と下段どちらもヘッドクリアランスが700mm近くとなり、上半身をある程度起こせる高さになるので、かなり快適になりそうです。

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得意のCADで立体化。およそこういう形になりそうです。

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キャンピングカー広島に車を預けて4日後。
既にシートや下開き収納、電気機器が取り外されました。

手前のFASPシート(前後向きになる3人掛シート)も取り外されています。

付いていたところが変色してしまっていますが、ウチはクロスカーペットを敷くので大丈夫でしょう。

テーブルも作り替えになるのですが、床に設置してしまっているテーブルの脚受は外せるのかどうかわかりません(この時点ではまだ付いている)

トイレの窓と兼用になっている後方の窓は開閉できるのですが、今回、ベッドと下段収納に隠れてしまうので、埋めてしまうそうです。
あまり開けて使うことがない(暑い時期にあまり出ないせいかもしれませんが)のと、窓が多い車でしたから、それもいいでしょう。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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ヒーターの移設で問題発生。

進行方向右側にあったヒーターを左側に移す、というのは大丈夫だったのですが、ヒーターの配管と車のマフラーの位置関係で、サードシートの 前寄りに設置されることになりました。
よって、ここに予定していた下駄箱は作れないことになるので、代わりに後ろ側を収納にしてもらうことにしました。

私は勝手に「こうなるといいな〜」でお願いするのですが、あちらは車の構造と向き合いながらの作業ですので、どうしてもこういう所が出てきます。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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運転席の後ろにあった板(ミニテーブルを取り付けていた場所)は残すとのことでしたが(要らないけど)これで見ると外されています。

べバストヒーターのスイッチがその板に付いていたんですが、またどこかに移設するんでしょうか? ちなみに、正面の床に転がっているのがべバストヒーター本体です。
数日後に聞いてみたんですが、邪魔になるだろうから外して処分してしまったらしく、スイッチはベッドと座席の間仕切り壁に付けてもらうことになりました。

今度付けるFASPシートは1人掛なんですが、前のみたいに横スライド機能がなく、かなり手前のスライドドア近くに付くみたいです。横スライドはしませんが、前後スライドと 前後向きには切り替えられるみたいです。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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ベッド枠の仮設置だそうです。
軽量鉄骨の溶接らしいですが、見るからに頑丈そうな造りになっています。

どうしても支える柱のあるところはベッド幅が狭くなってしまいますが、以前使っていたAntaresLux426のベッド幅は635mmでしたので、それよりは広いみたいです。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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年が明けての2023年、作業が再開されました。
ベッド枠が艶消し黒で塗装されて固定されています。
下段ベッド下の木枠も出来上がりつつあります。
左奥に見えるべバストヒーターの高さギリギリに作られているので、ベッド面の高さが低くなっていることがよくわかります。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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少し奥(トイレに近いほう)の状況です。
三段の棚が見えていますが、この最下部のところにバッテリーが入ります。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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ベッド横の壁が取り付けられました。
壁が付くと一気に組上がったように見えてしまいます。

べバストヒーターの吹き出しが前後2か所あるほか、ベッドに上がるラダーに半分隠れていますが、下段ベッドにも吹き出しがあります。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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後ろから前方向。
上段のヘッドクリアランスも十分にあります。
前側は足を伸ばすほうになるので、吊棚もそんなに邪魔にはならないと思います。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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下段面の座はまだ張られていません。
配線やダクトの取り回しがあるので、最後のほうになるようです。

右下にべバストヒーターの本体が見えますが、吸気は前にダクトを伸ばすそうです。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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こちらが吸気口。
左は運転席の背中です。前はここにミニテーブルの取付板があったのですが撤去されているので、ここはこれで荷物置きとかに利用できそうです。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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下段ベッド前から後ろ方向

配線の取り回しが増えています。

細かな物の取付位置の確認に呼ばれたので、この状態で中に入ってみたのですが、意外に広いです。

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電気機器の取付状況。
全て床面に取り付けられました。

バッテリーは右の壁の収納棚に設置されています。

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こちらは上段のほう。

この上に厚さ6cmのマットが載る予定です。
上段面が窓の中心付近にあるので、上段からも下段からも外を見ることができます。

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上段から前方向。

思った通り、広さも十分でした。
少し、個室感を出したいので、左側にカーテンを新たに頼みました。

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幕張メッセでのジャパンキャンピングカーショーへの出展などがあり、しばらく間が空いていましたが、久々に写真が送られてきました。

最初にPLACEを作ってもらったときは、ギャレーに関する構造要件で『使用する場所は床面から上方に1600mm以上の空間を有すること。』というのがあり、この位置になったのですが、 昨年4月に構造要件が新しく変わったため、現在は同社の『カレントキャンパー ピコ』や『ポップ・コン』でもポップアップルーフ無しでの登録ができるようになったそうです。

しかし別の条件で、ギャレー高さ制限というものが加わって、『高さを85cm以下にしなければならない』というものが出てきたため、ここだけ床が嵩上げされています。
ウチのPLACEのギャレーは86.5cmだったらしく、20mm嵩上げとなってしまったのですが、これはこれでカッコイイ気がします。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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FASPシート(前後向きが変えられるシート)が取り付けられました。
今回は1名掛けで、スライドドアギリギリに設置されています。
以前の3人掛けのものと違い、前後スライドはできますが、横スライドはできません。

ちょっと、元のサードシートと近い感じですが、後ろに下げた状態(シートベルトはこの位置になる)になっています。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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後ろ向きにした状態で、今度は車前方にスライドさせた状態です。
間を埋めるマット(まだカバーがされていないのでスポンジが丸見えになっている)が幾つか設置されていますが、テレビの下あたりにテーブルが付く予定なので、このように設置すれば右側は二人並んで座れそうです。

よく見ると、上段ベッド上の天井と下段ベッド上にも新しくカーテンレールが設置されています。

さらによく見ると下段ベッドの奥のほうに私が以前DIYで天井近くに設置していたテレビのブースターがこちらに移設されています。
上段ベッドの上のほうは邪魔にならないよう、スッキリした形になっています。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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フラット状態です。以前は車内全体がフルフラットでしたが、べバストヒーターの熱の廻りが悪くなるので、こうしてもらいました。
でも、このベッドでも幅700×長さ1900ほどあるので、一人寝るには十分な広さです。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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こちらはUSBコンセント。
上段ベッドはオーバーヘッド収納の横につけてもらいました。(左写真)
下段のほうは元々この位置にあったのですが、シガーソケットになっていたのを今回気を利かせてUSBコンセントに変えてくださいました。
以前はベッド化したとき以外は収納されたマットで塞がれていたため、幾分使いやすくなるかと思います。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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またしばらく間が空いて、ようやく構造変更の再登録が完了したのと連絡がありました。

ここで、最後の仕上げにかかるということで、コンソールの取替が始まりました。
コンソールとは、運転席と助手席の間のボックス部分ですが、ウチのキャラバンはワイド幅なので運転席側に寄っていて、助手席のほうはトレーになっているため、 ひじ掛けとしては運転席側でしか使えません。
写真の左下に以前自作した下駄箱がありますが、結局カミさんの靴1足しか入らないでいたので、コンソール部分を下駄箱に作り替えてもらうことにしたのです。

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だいたいのイメージを伝えるため、CAD化して依頼しました。

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こちらが新しいコンソール型シューズボックスです。

上表面が全面マットになっていますが、ひじ掛けとしてもそうですが、この上に乗る形で後ろに移動するため、このようにしてもらいました。
手前の蓋を下方向に開けると、2足分のシューズボックスになっています。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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こちらが助手席側から見た感じ。

キャラバンはドア部分(足元)にペットボトルホルダーがありますが、缶だと置きにくいので、今回カップホルダーを付けてもらいました。
上蓋を開けると、こちらからでもシューズボックスは使えるのと、前側にも小さな収納スペースがあります。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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元々敷いていたカーペットが敷かれました。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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床面積が少なくなった分、買い足し無しで足りたみたいです。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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今回最後の調整。テーブルの位置決めです。

今回のテーブルは以前のトレーラーと同じように片方が壁支えになるので、壁の受レール(本当はテーブルサポートスライドファスナーというらしい)の長さをどうするか? とのことでしたが、座席をスライドしたときの位置でいろいろ使えたほうがいいので壁の端から端へ設置してもらうことになりました。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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ベッド上段にマットが敷かれました。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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ベッド下段にもマットが敷かれました。

下段の前側壁に、新しくライトがセットされました。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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補助マットがセットされて3人目用のベッド設営。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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ベッド展開状態でもテーブルが使えます。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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サードシート前の補助マットは以前と同様サードシートの背もたれですが、前のより幅が大きくなったため、ヘッドレスト部分の高さが高くなっています。

色が濃いブラウンになったため、座席にしたとき少し違和感があるものの、ベッド展開ではこの色のほうが落ち着くみたいです。

【写真提供:キャンピングカー広島】

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ようやく車を引き取り、自宅(向こうの集合住宅)に戻ってきました。

今回、ブラックカバーのオーニングを付けてもらいました。

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普段は夫婦二人なので、こういう使い方になります。
料理はほとんど車内で作らなくなったので、茶飲み(酒飲み?)スタイルのテーブルです。

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ベッド脇の収納は最下部にバッテリーがあるためにできたスペースですが、中段と上段はベッド幅分の大容量の収納になっていて、扉が付いています。

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中段は、奥にべバストヒーターのダクトカバーがあるのですが、手持ちの鍋やライスクッカーがそこに収まったのでフライパンとヤカンを入れて、丁度収まりました。
上段は今のところ丸々空いています。

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以前、サードシートの収納に入れていた食器類や工具箱も調理器具を別にしたため、元のところに収まりました。
右端にあるのは移設された車のリアヒータ―ユニットです。

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下段ベッド内部の様子。

ヘッドクリアランスは十分あり、私でも四つん這いで入っていけます。
金属製のベッド枠でしたが、細かい部分までトリムで覆われているので、肌が当たってもヒヤリとしません。

左上に見える四角いのは3人目用ベッドの補助マットで、ベルトでここに固定されています。

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今回の二段ベッドのマットは、敷布団のようにZ折できるように作ってあるので、簡単に持ち出して干すこともできます。

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やや手触れ写真で申し訳ないですが、電装品以外のスペースは収納になっています。

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収納は高さこそないものの割と広いので、以前トレーラーで毛布代わりに使用していたコールマンのゴツ目のシュラフを入れました。

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電装品スペースの空いたところにはオーニングを開いたときに使うロープやペグをトートバッグに包んで収納。

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二段ベッドはそれぞれにカーテンが付いているので、上下とも別々にカーテンで覆うことができます。

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今回付いたコンソール型の下駄箱ですが、私の靴(28cm)でも余裕で入る大きさです。

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以前、補助マットを入れていた前側のオーバーヘッド収納スペースですが、今回入れるものがなくなったので、コールマンのコットを入れてみたら、すっぽり収まりました。

次回からいちいち積み降ろししなくて済みそうです。

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コットを入れても余裕があったのと、コットの補助柱がカチャカチャ音を立てそうなので、小型のシュラフも積み込みました。

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元々あった側面窓は後ろのほうは今回塞いでしまったのですが、前側の開閉窓は残っています。
ただ、ベッド枠がかなりギリギリにあるので開くにはかなりコツが要ります(手が痛くなる・・・)

でもここの窓が開くかどうかで快適さが断然違います。天井のMAXファンを排気にすれば、上段ベッドも下段ベッドにも風が吹き込みます。

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下段ベッドに寝てみた状態。頭を運転席側にしています。
天井付近(上段ベッドの裏側)のトリムもかなり細かいところまで入念に作られています。

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ちなみに、下段で私(178cm)でも寝られなくはないですが、足先が伸ばせません。
(上段は下段より端のバッテリー収納棚分30cm長い)

構想から丸一年、改造に預けて4カ月かかりましたが、ようやく完成の運びとなりました。
なかなか夫婦で休みが合わなくなってきている現在ですが、近場でも良いので楽しんでいけたらと思います。