ひょんなことから実験を始めた簡易クーラーでしたが、実験を経た結果、スポットクーラー的にならまぁまぁ使えることが判りましたので、正式にトレーラーに組み込みました。
なお、実験は長ったらしいので、興味ある方は別枠の夏特別企画『簡易クーラー』を御覧下さい。
また、本紹介では途中の製作が実験とダブっておりますので御了承願います。
ポンプは洗濯機用のバスポンプ。スペア用(ポンプだけ)です。
内径15mmホースと13Aニップル、ステンレス製フレキシブルパイプを用意します。
バスポンプはほとんどがDC12Vですが、たまに15Vとか省エネタイプで9Vとかのものもあるので注意しましょう。
なお、このポンプのケーブルを剥くと、赤白に分かれています。
DCの場合、白とか黒がマイナス、色つきのほうが+の場合が多いです。
案の定、このポンプも赤が+、白がマイナスでした。
熱交換器部分を作るため、図面化しました。
FFヒーターのファンによる送風ダクトを利用しています。
この後実験を経て、ダクト途中につけるライン型に一部形が変わりました。
φ75の掃除口(VD)の蓋部分に穴を開けて、13Aのホースニップルを通し、内側になるほうにステンレスフレキを8の字に接続します。
φ75×φ50のチーズ(VU T字管)に、掃除口(受け側)を接着します。
掃除口内側のニップル周囲をコーキングします。
上をチーズ管へねじ込み、ホースをホースバンドで固定します。
次にクーラーボックスの加工。穴を貫通しニップルを挿入。
ホースもワンタッチで取り外しができなければ水を捨てたりできないので、接続材を取り付けます。
ポンプ、戻り管を取り付けました。
ダクト途中に割り込ませるタイプに変更するため、VU 90゜エルボ(幸いまだ接着してなかった)をやめて、
VU φ75×φ50の異径管を接着。
この熱交換機自体も結露すると思うので内部の結露は横に5mmの穴をあけ、垂れ流すことにしました。
受け皿となるトレイを探していたのですが、ちょうど良い物を見つけました。
調味料などを流しの下に整理するトレイです。φ75のVUがピッタリ入り、しかも縁の高さが違うところが、今回のブツにピッタリです。
前後に穴を開けて、熱交換機をトレイ内部に設置。ちょうどダクトの入口側(上側)が縁の外に出ます。
トレイ底付近に穴を開けてチューブを通し、プラスチック用速乾パテにて隙間埋めと固定をしました。
さて、取付位置はダイネット前側席下部を選びました。
トイレに繋がる送風ダクトを外します。
トイレとの貫通部のT字管と吹き出し口を外します。
ここに熱交換器を仮設置。一次側は難なく接続できますが、出て行くほうはダクトを接続する余裕がありません。
また高さも5cmほど上げなくてはなりません。
木片で台座を作成、一次側のダクトを接続しました。
結局、50AのVUでパイプを延長、そのまま貫通させることにしました。
熱交換器を5cm上げたことで、ドレンチューブも自然な曲線で、床下へ通せました。
(ちょうどここに、洗面台のドレン管用の穴があります)
トイレ側もVUの90゜エルボで立ち上げます。
当初、ダクトはベニヤ板等で覆う予定でしたが嵩張るので、ダクトのみにします。
ただ、色が目立ちますので白のビニルテープをあらかじめVUにも巻いておきます。
ダクトのほうにもビニルテープを巻き付け(結構手間がかかります)
シャワーを使うことはありませんが、防水と保温にはなるかもしれません。
ダイネットとトイレの壁を新たに貫通。
ついに空けちまった〜!って感じです。
トイレ側ダクト配管。
吹き出し口をダイネット側に固定。
トイレ側のダクト立ち上がり状況。
このくらいなら邪魔にはならないでしょう。
クーラーボックスを配置。ギリギリです。
とりあえず、ポンプを動かして動作確認と配管の水漏れチェック。
どこも水漏れはありませんでした。
もともとクーラーを入れたところは調味料入れのボックスがあったのですが、以前DIYしたワードローブ内の棚にスッポリと収まりました。
トイレ側ダクトを固定。固定バンドは、以前ダクト移設のDIYしたときの余りです。
一応完成。見た目には新たに吹き出し口が増えただけです。
実験で判ったのですが、トレーラー全体を冷やすなんてことは絶対に無理ですので、ダイネット部分をカーテンで覆います。
とりあえず動作確認のため、フロントベッドとの間に使用していたカーテンを突っ張り棒で仮設置。
さて、今日は雨がパラパラしていて涼しく、室内は26.9℃。
氷を入れ、ポンプとFFヒーターのファンのみを作動。
吹き出し口の吐き出し冷気温度を測ります。
右側が吹き出し口で21.8℃。結構冷えてます。
雨がやみ雲がきれ、日差しがきつくなりました。
ほとんどスポットクーラーに近いものなので、対座(ダイネット後ろ側席)で涼しければ良いので
テーブルの上に空き缶を置き、温度センサーをここに設置。
20分経過して、日差しでルーフが熱くなり始めたのか天井に近い温度計本体(左側数値)は29.3℃に。
ただし、先ほどのセンサーのほうは26.0℃です。
さらに15分経過で、25℃を割り込み24.7℃!
こんな簡易クーラーでここまでできれば十分でしょう。
それから一週間経つ間に、いろいろ考察してしまいました。 また、ブログのコメントでもリンクしているコージさんから、洗濯挟み(?)のアドバイスを頂いたりして また自分でも新たな熱交換機を考えついたりして、じっとしていられないタチなものですから、またまた改良することになりました。
先週付けたばかりの熱交換機をバラしてみました。
洗濯挟みがなかったので文房具の目玉クリップ
以外と全長が短いのでいいかも。なるべく別方向になるように挟んでいきます。
装着状況。なんとなく微妙な感じ。
ともあれ熱交換機再組み立て。
次に目をつけたのが、この前実験で使ったPCファン。
意外とダクトファンとして使えるみたいなので、φ50VUに挟み込むように接着剤にて固定。
これを隙間埋めと同時に白ビニルテープを巻き付けます。
これをトイレ側立上がりダクトに挿入。違和感ありません。
FFヒーターファンは今までは送風量最高にしています。
ところが、ヒーターファンは全速でなくとも新ブースターファンの一時側圧力がある程度以上あれば、
風量は変わらないことがわかりました。
その測定は写真のようにオーソドックスな方法。
結果、風量2.5くらい(ダイヤル値)までは変わらなかったので3で使用することにしました。
しかし結果は御覧のとおり。
この前よりも悪いやん。。。実は風量が増えた分、熱交換が間に合わないのか、あまり良くない数値です。
ちょっと脱線して、別のやり方で熱交換機作り。
φ50×φ65の異径管2個とφ65配管材。
異径管に斜めに6mmの孔を開けます。
6mm(内径4mm)のエアー用チューブを4m用意しました。
エアー用なのでオススメできませんが、圧力が低いので全く問題無しでした(後の試験による)
コイル状に65φの管内に詰めていき、最後は縦方向にコイルを作ります。
両端を接着して新熱交換機完成。
これにφ6mmワンタッチ受×1/4継手材 + 1/2 × 1/4ブッシング、タケノコ(雌)を用意。
組み立てるとこんな感じです。
これを元の熱交換機場所に仮設置。
通水確認。やはりチョロチョロでした。
しかし、少ない水量でも行き渡ることが判りました。
冷却能力も先の熱交換機と同等能力です。
それなら・・・と目をつけたのがフロント側最初の吹き出し口。
かなりの風量が得られます。
ここに先ほどの新熱交換機とダクトを仮設置。
風量は多いんだけれども、冷風温度が下がりません。
無謀にも、フロントベッドに温度センサー設置で30分経過。
しかし思うような冷却データは得られず。
気を取り直して、二次冷却として使うため、トイレ側ダクトを再び外して、ブースターファンも
二次冷却熱交換機に接続。
全体をやはり白のビニルテープで覆います。
立ち上がり箇所に設置しました。
ダクトを接続しました。あまり違和感はなさそうです(そうか?)
入出力口のチューブはそれぞれ壁貫通。
チューブ変換部は「エアー用」なので、万一漏れても良いように先に作ったドレン付きトレー内部
で結線しています。
まずは温度変化。先週のパターンです。(吹き出し口温度)
しかし、このときブースターファンは回しているので、風量は多いです。
それでもこの前と一緒ということは二次冷却はOKですね。
ちなみに従来通り、FFヒーターファンだけに頼る方法(先週までと同じ)にすると
なんと1℃あまり下がりました。
再び、ブースターファンを点けても0.3℃減少する程度です。
このエアコンの使い方は、まず車室の空気を入れ換える、最初はFFヒーターだけの風量でゆっくり冷やす(ダクトも装置も)
そして、ブースターファンをONして冷気を送風・・・というりが理想なのかな。
最後に全景です。
まぁ、使ってみなくちゃわからない部分が多いですね。
あくまで簡易クーラーですから、一時しのぎに使うつもりです。
我が家はキャラバン中の昼食はトレーラーでとることが多いので、そんなときだけに使えれば良いと思っています。
寝るときは、やはり高原など、涼しい場所に行き、クーラーを使うつもりはありません。
また使用感については、いずれキャラバンレポで報告します。